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2022年8月27日土曜日

草加寺子屋の学習プリントは学習指導要領を無視しているか

以下は、草加寺子屋の学習プリント(2019年度)の小学3年生と小学4年生の割り算の問題(二桁の数を一桁の数で割る)です。作成したのは、草加市教育委員会です。

小学3年生の割り算の問題 9月 1学期の復習3

  1. 15÷2
  2. 23÷5
  3. 69÷7
  4. 34÷6

小学4年生の割り算の問題 9月 1学期の復習2

  1. 94÷6
  2. 87÷5
  3. 75÷4
  4. 96÷7

学習指導要領を無視しているように見える

除数が1位数(1桁の数)で被除数が2位数ですから、一見、違いが無いように見えます。どちらも、9月に配られた1学期の復習プリントです。

問題を作成した草加市教育委員会は、3年生と4年生に同じような問題を出題しているので、文部科学省の学習指導要領を無視しているように見えます。しかし、割り算が当たり前にできる大人には判りづらい、微妙な差があります。

学習指導要領では、3年生と4年生の除法にどのような差があるのでしょうか。

小学3年生のあまりがある問題

除数が1位数で被除数は2位数です。ただし、乗法九九を1回用いて商を求める計算です。判り易く言うと、被除数の15,23,69,34は、九九の範囲に収まります。 草加寺子屋の学習プリント 小学3年生のあまりがある問題

小学4年生のあまりがある問題

除数が1位数で被除数は2位数です。ただし、乗法九九を1回用いただけでは、商を求められない計算です。94は6の段になく,87は5の段に,75は4の段に,96は7の段にありません。 草加寺子屋の学習プリント 小学4年生のあまりがある問題

学習指導要領を無視している訳ではないかも

詳しく見ると、3年生の問題より、4年生の問題の方がレベルが少し高くなっています。ただ、3年生の問題が「乗法九九を1回用いて商を求める計算」で、4年生の問題が「乗法九九を1回用いただけでは、商を求められない計算」だという事を、教育委員会が意識して出題しているかは判りません。

小学校学習指導要領解説(平成29年告示)算数編

小学校学習指導要領解説は、文部科学省が2018年に出版しました。

小学校学習指導要領解説には、以下のように書かれています。

第3学年では,12÷3,13÷3などのような乗法九九を1回用いて商を求める計算及び 80÷4,69÷3のような簡単な2位数を1位数で割る計算を扱ってきている。

第4学年では,除数が1位数や2位数で被除数が2位数や3位数の除法について考える。

学習指導要領の各学年の目標及び内容

小学校学習指導要領解説には、以下のように書かれています。

第3学年の内容:除数と商が共に1位数である除法の計算が確実にできること。簡単な場合について,除数が1位数で商が2位数の除法の計算の仕方を考えること。

第4学年の内容:除数が1位数や2位数で被除数が2位数や3位数の場合の計算の仕方を考え,それらの計算が基本的な計算を基にしてできることを理解すること。また,その筆算の仕方について理解すること。

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